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「ミロ、何してるの?」
「ん?」
【そのまま】
ここは外界とは断絶された空間。
そびえ立つ山に延々と続く一本の階段と立ち並ぶ宮。
聖なる神の住む場所…
人はこの場所を
〔聖域〕――サンクチュアリ
と呼ぶ。
「男のひとでも爪研いだりするんだね」
ここは聖域の中枢、十二宮の八番目。この蠍座のミロが守護を預かる天蠍宮の居住スペースだ。
興味深げに手元を覗き込むのは恋人の柚菜。ソファに座った俺の隣で、先ほどから頬杖をついている。
始めたばかりだから、手元の作業はまだ時間がかかるだろう。
「はは、爪を気にする男はそうそう居ないだろうしな」
それより暇じゃないか、と問えば、
「ううん、ミロと一緒だから」
にこり
笑顔で答えられてしまった。
俺はそうか、と軽く返事をして少々火照った顔を手元に戻す。
……つくづく、この顔に弱いな。
隣からは髪で見えないだろうと、口の端を持ち上げた。
他愛のない話をしながら、やがて作業も終わりに近づいた時、ふと気になったことを聞いてみることにした。
「そういえばお前は爪の手入れしてないのか?」
「え、私?してないよ」
時間かかるし、マニキュアも塗らないしね。
柚菜はそう言うが、それは酷くもったいないと思う。
長くて細い指、それに映える淡い色――
「ミロ?」
呼ばれてはっとした時には、柚菜の手を掴んでいた。不思議そうに柚菜はこちらを覗きこんでいる。
すぐに放そうとも思ったが、この際なのだから……
「柚菜。爪、磨いてみていいか?」
爪を研ぎ始めて何分経っただろうか。
もう少しで片手分が終わろうとしていた。
だが全く時間を感じない。
思った通りに柚菜の爪は磨くと綺麗で、まるで宝石のようだった。
化粧などもあまりしない柚菜であるが、きっととても綺麗になるだろう。
柚菜は原石なのだと思った。
「綺麗だな」
「え!!」
ぽろりと言ってしまえば、柚菜は一気に顔を赤く染めてしまった。
「ななな何が綺麗って…」
「お前の手が綺麗だと言ったんだ」
「え、う……」
しどろもどろで目を泳がせる柚菜。
……まあ、綺麗な柚菜は見たいけれど、この可愛い柚菜も捨てがたい。
――今はまだ、原石で充分だな。
自然に笑みが零れる。
そして未だ照れている柚菜の手を握り直し、手の甲に口付けた。
……それで柚菜が更に照れてしまったのは、言うまでもない。
おわり
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久々に夢完成させたぜ!
この調子で色々途中のやつも完成させたいなー
特に政兼夢主の同棲夢とかw願望ww
この夢については…何となくミロりん(←)は爪のお手入れ凝ってそうだなと思って。
あと夢主ちゃんが化粧っ気ないとありますが、それは私ですww
でも本人別に可愛くも何ともないんであしからず←知ってるよ
よし、では明日会社なんでそろそろ寝ます。
次あたりに同棲夢載せられないかなーと思っている幸鳥でした。
お休み!
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